ダンロップ全国選抜関西予選がありました。
この大会は1Rから3セットマッチを行う結構貴重な大会です。
吉野寿桃選手が出場し
1R 6-4 6-3
2R 6-1 6-2
QF 6-3 6-0
SF 4-6 2-6
ベスト4でした。
全国大会へは関西から4名出場できるので全国大会出場が決まりました。
おめでとうございます。
最近は、京都でも関西でも、負けることが続いていたのでこの大会が、1ランクアップのきっかけになればよいと思います。
地域合宿・ナショナルの合宿・海外遠征など高いレベル場所で、コーチ同士お話しすると勝ち負けの話よりも、良いテニスについて話すことが多くなります。
一言で良いテニスと表現されますが、私が今まで話してきた感覚では、良いテニスとは、現在のトッププロ達がプレーしているテニスだったり、そのプレイヤーと戦えるテニスを示していると感じています。
しかしジュニア時代にその良いテニスをすることはとても難しいことです。
今勝つテニス≠良いテニス とはならないからです。
ジュニアの体格・筋力・技術では、ストロークが安定してミスのないプレイヤーが勝つことが多いからです。
今勝とうとすれば、ストロークの練習をたくさんして少し守備的なテニスが有利です。
ネットプレー・ライジングショット・スライス・ドライブボレー・スピンサーブ・ハードヒット・攻撃的なサーブ・ドロップショット などトッププロが当たり前に使いうショットやプレーが、この年代では有利に働かないこともあります。
これらのショットやプレーも必要な時期がきてから、身に付けようとしても遅いので、幼少期から練習をしておく必要があると思っています。
しかしこれらのショットを身に付けるために時間を割くことが、今勝つテニスにとっては最短ルートではなくなります。
なぜなら、その技術が活きて来るのは、少し先になってしまうからです。
私は幸いにも、幼少期から素晴らしい指導者に数多くのショットやプレーを習っていたので、成長過程で特に困ることはありませんでした。
そういった経験があるので、佐保山テニスクラブのジュニア達にも、今勝つテニスよりは、良いテニスを伝えるようにしてきました。
ただ良いテニスを目指しても、勝てるようになるまで継続してテニスを続けてくれるかどうかは分かりません。
結果が出なければ、勉強や他の競技に変わるジュニアもいます。
とてもバランスが難しいと思います。
吉野寿桃選手がこの1年間ぐらい悩んで勝てなかったのは、勝つテニス≦良いテニスと自身で判断したからでしょう。
海外遠征などで、自分より遥かに大きな体格の選手が、トッププロと同じようなプレーをするのを観たり対戦したりして、今のままではいずれ勝てなくなる。
そう気付いたんだと思います。
そこから彼女のチャレンジは大変だったと思います。
勝たないといけない試合ばかりの中で、良いテニスを目指したからです。
テニスを変えようとしてチャレンジしても成功するとは限りません。
変えようとしたせいで勝てなくなった選手もたくさんいるでしょう。
逆に変えなかったから、だんだん勝てなくなっていった選手もたくさんいます。
今回のチャレンジは、成功したかはまだ分かりません。
本番は全国大会だからです。
でもこの1年間彼女の取っていた行動は、勝ちにはつながっていませんでしたが、将来のテニスの伸びしろを拡げることにはつながりました。
これが活きるのは、もう少し先だと思います。
良いテニスを目指しつつ全国大会の出場権を得たことは素晴らしいことだと思います。
全国大会で更なる活躍に期待したいですね。
吉野浩史